赤ちゃんの睡眠ガイド：幼児の睡眠に関する4つの主要な問題と解決策

幼児の睡眠の重要性

台湾三軍総合病院小児科教授 王志堅（台湾）

はじめに

シャオリーは新米ママで、赤ちゃんが生まれてから2週間が経ち、毎日昼夜逆転しています。夜泣きで夜は眠れず、昼間は眠ってしまうため、シャオリーは夜間にしっかりと休むことができないために精神的なストレスが大きく、体力も十分に保てません。そのため、小児科を受診して、赤ちゃんの睡眠時間を改善する方法があるかどうかを尋ねました。

もう1つ一般的な睡眠問題は、赤ちゃんの腹部の痛みです。2ヶ月の赤ちゃんのママであるフィファンは赤ちゃんを小児科の救急室に連れて行きました。直近3日間、赤ちゃんは夜中に突然泣き始め、3時間以上落ち着かせることができずにいました。彼女は赤ちゃんに何か深刻な問題があるのではないかと心配し、救急室で医師に助けを求めました。

臨床の現場では、赤ちゃんや幼児の睡眠に関する問題によって、親は大きな苦労を強いられます。生まれてから幼児期まで、この問題が持続する可能性があります。

 

赤ちゃんの四大睡眠問題：

1.新生児の睡眠時差（夜ふかし）の問題をどのように解決しますか？

新生児は生後しばしば昼夜逆転の状況になります。これは新米ママにとって最も悩ましいことの一つです。新生児の世話をすることで十分な休息を得られず、ママは非常に不安に感じ、イライラしやすくなります。これは親子関係にも深刻な影響を与え、母乳育児にも影響を与える可能性があります。新生児の脳は未熟であり、彼らは昼夜のリズムを効果的にコントロールすることができません。その結果、昼夜逆転の現象が起こります。この状況を改善するには、時間と忍耐が必要です。

まず第一に、夜寝るときは部屋を比較的暗く保ち、大きな音を避けること、そして赤ちゃんと話すときは優しい声で話し、必要に応じて落ち着かせることが重要です。また、昼間は明るい光を保って赤ちゃんがあまり深く眠らないようにし、赤ちゃんとの交流や遊びを増やしたり、適切な刺激を与えたりします。それでも昼夜逆転の状況が改善されない場合、特に両親が疲れ果てているときは、時に家族に赤ちゃんの世話を手伝ってもらうことも考慮する必要があります。そうでないと、悪循環に陥ることがあります。

両親がストレスを感じていると、赤ちゃんに影響を与える可能性があります。赤ちゃんは非常に敏感なため、両親のストレスを感じ取ることができ、泣くことが悪化する可能性があります。しかし、育児方法を変え、適応することで、これらの問題は通常、迅速に改善されます。

 

圖1：リニューアル版の睡眠分析：
毎日の睡眠レポートと組み合わせて、ママパパが赤ちゃんの睡眠習慣を効率的に確立できるようにします。

 

2,赤ちゃんの腸捻転症の問題をどのように解決できますか？

赤ちゃんの腸捻転症は夜間によく発生し、夜間の睡眠に影響を与え、親を困らせる問題です。現在、原因は不明ですが、新生児の腸管機能の未熟さ、腸内フローラのバランスが良くないこと、食物アレルギーまたは不耐性、過食・過少摂取、またはゲップの少なさ、小児期の早期型片頭痛、家族のストレスや不安などの原因と関連している可能性があります。

赤ちゃんの腸捻転症は、赤ちゃんが持続的に泣き叫び、なかなか落ち着かせることができずに眠れなくなることがあります。その定義は、「333原則」と呼ばれる簡単なルールで定義づけることができます。「333原則」は泣き叫びが3時間以上続き、週に3回以上泣き叫び、そのような状況が3週間以上続くことです。

もし心配な場合は、小児科医に判断を依頼するのが最善です。通常、腸捻転症は赤ちゃんが生後3〜4ヶ月になると自然に改善され、この期間中に赤ちゃんの不快感を和らげるためのいくつかの補助的な方法を取ることができます。
たとえば、母乳を与えている場合は、母親は乳製品・コーヒー・紅茶、またはガスの原因となる食品を避けるべきです。ミルクを与えている赤ちゃんに関しては、医師に水解タンパク質配合ミルクを選択するかどうか相談することができ、赤ちゃんの胃腸の不快感を軽減するのに役立ちます。

また、赤ちゃんに過度な授乳を避け、ミルクを飲むときに余分な空気を吸入しないようにする必要があります。赤ちゃんがまだ泣いている場合は、お腹をマッサージしたり、背中をトントンしたりして、赤ちゃんのおならやゲップを助け、お腹の空気を減らすことができます。

適度におしゃぶりを使用することも1つの方法です。また薄い毛布で赤ちゃんを包むことで、安全を感じて静かになるのを助けることもできます。
さらに現在、他の一部の研究で、プロバイオティクスや鉄分のサプリの服用が腸内フローラのバランスや貧血を改善し、赤ちゃんの腸捻転症の緩和に役立つことがわかっています。

3.乳幼児突然死症候群（SIDS）を避ける方法は？

乳幼児突然死症候群（SIDS）は、主に赤ちゃんの睡眠中に発生し、口や鼻の閉塞により体内の酸素が不足することで赤ちゃんが体を動かせず、眠っている間に突然死に至る病気です。そのため、赤ちゃんの睡眠には良好な環境と快適な空間が必要です。

乳幼児突然死症候群（SIDS）を防ぐためには、次の方法を覚えて遵守する必要があります。

- 仰向けで寝かせる
- 親と一緒に寝ない
- ベッドに不要な枕や毛布、おもちゃなどを置かない
- 過度に柔らかいマットレスを避ける
-  室内の快適な温度と湿度を保つ

 

圖2：CuboAi 顔覆われアラートと寝返り検知：赤ちゃんが危険な状況にあるときに、すぐにママパパに通知。赤ちゃんの障害となっているものを除去する手助けをします。

 

4.睡眠時間の不足と睡眠品質の低下はよくある問題です 

最近の台師大と国科会の調査によると、台湾の1歳から3歳の幼児の半数が夜更かしをしており、睡眠不足の状態にあります。これは、親が夜更かしをして子供にも影響を与えていることが主な原因です。

台湾の衛生福祉部は、就学前の幼児は毎日最低11時間は眠る必要があると推奨していますが、研究によると、幼児の夜更かしと睡眠不足の割合は年齢とともに増加しています。したがって、親は睡眠スケジュールを調整し、まず子供と一緒に寝るようにし、その後に自分の仕事に取り掛かることをお勧めします。

また現在、子供が3C製品（パソコン・携帯電話・家電）を使用する割合が増加しており、夜間にタブレットを使用したりテレビを見たりすると睡眠の質に影響します。遅い就寝が成長ホルモンの分泌に影響を与えることもあり、これは乳幼児や学齢期の子供の成長に大きな影響を与えます。そのため、睡眠は親にとって重要な問題です。

 

 

重要な2つの注意事項：

1.睡眠時の無呼吸症候群に注意する必要があります。

睡眠中の呼吸停止は非常に重要な問題です。約2％の幼児に発生し、特に新生児や早産児に多く見られます。早期に発見し、医師に相談することで、睡眠中の呼吸停止による悪影響を診断するのに役立ちます。治療を行わない場合、睡眠時の無呼吸症候群は心臓・行動・学習・成長において問題を引き起こす可能性があります。

 

2.赤ちゃんの泣き声による危険性に注意してください。

幼児が睡眠中に絶え間なく泣き騒ぐことは、しばしば親の不安を引き起こし、不適切な対応を引き起こすことがあります。例えば、不適切な揺さぶりや叩きつけは、深刻な結果を引き起こします。※乳幼児揺さぶられ症候群を引き起こし、脳出血や損傷をもたらす可能性があります。

したがって、赤ちゃんの睡眠中の泣き声を軽視することはできず、原因を探り解決策を見つける必要があります。これにより、赤ちゃんの危険を回避できます。

※乳幼児揺さぶられ症候群：赤ちゃんを激しく揺さぶることで脳に衝撃が加わり、重い障害が残ること。

 

 

結論：幼児の睡眠の重要性

幼児の睡眠は非常に重要です。なぜなら、幼児の脳は成長しているからです。そのため、幼児の睡眠時間は大人よりもはるかに多く、新生児の場合、1日に約16〜17時間の睡眠が必要です。睡眠の質も重要であり、良質な睡眠は脳の回復と発達を促進します。

調査によると、十分な睡眠時間と良質な睡眠は、言語の発達・運動能力・認知力・感情のコントロールを著しく助けることが明らかになっています。十分な睡眠時間の確保を行い、夜更かしを避けることで、幼児の正常な成長と発達、正常な免疫機能を得ることができます。

したがって、親は睡眠の重要性を理解し、出生後の幼児の重要な段階で良い睡眠習慣と十分な睡眠時間を確保することが重要です。これにより、スタートラインで優位に立つだけでなく、長い目で見た健康も確保できるのです。

 

王志堅（Chih-Chien Wang）医師のバックグラウンド情報：

現職
三軍総合病院小児科特任教授
国防医科大学医学部小児学科教授

学位
国防医科大学医学博士

専門領域
感染症、重症医学の専門家

経歴
国防医科大学医学博士
台湾小児科専門医
台湾感染症専門医
台湾小児救急専門医