小児科医が解説!赤ちゃんの睡眠の不思議と、家族みんなでぐっすり眠るためのヒント

 

 

小児科医が解説!赤ちゃんの睡眠の不思議と、家族みんなでぐっすり眠るためのヒント

赤ちゃんの睡眠サイクルは大人より短く、浅い眠りの割合が多いため、夜中に何度も起きるのが自然な仕組みです。けっしてママパパの寝かしつけのせいではありません。夜通し眠る時期には大きな個人差があり、発育が順調なら夜間に起きても心配不要です。

とはいえ、家族でぐっすり眠りたいのが本音ですよね。そのために、赤ちゃんの睡眠の基本を知り「安全で、快適な寝床をつくること」①顔周りに物を置かない安全な寝床づくり、②夏の室温25〜28℃・湿度40〜60%の管理。そして、③生後3か月頃からの「入眠ルーティン」の確立が大切です。

親の睡眠不足は育児のSOSのサイン。ベビーモニターなどを上手に頼り、家族全員の睡眠を最優先に考えましょう。

さらに、これから夏本番になると、熱中症対策や寝室の室温管理など、気になることも増える季節です。そこで今回は、小児科医の森戸やすみ先生にお話を伺いました。医師のアドバイスをもとに赤ちゃんの睡眠の基本から、大切な赤ちゃんを守り、家族みんなが安心してぐっすり眠るための環境づくりのヒントまで詳しくお届けします。

1. 赤ちゃんの睡眠の基本について知りたい!大人の睡眠とはどう違うの?

「うちの子、どうして夜中に何度も起きちゃうんだろう……」そんな風に、赤ちゃんの細切れ睡眠に悩むママパパは実はとても多いんです、と森戸先生はおっしゃいます。赤ちゃんの睡眠の仕組みと大人の睡眠とはリズムが違うことをまずは知ってほしいとのことです。

寝てくれないのはママパパの寝かしつけのせいではなく、赤ちゃん特有の理由があるから。まずは、「赤ちゃんの睡眠の基本」について、大人との違いを学びながら紐解いていきましょう。

月齢別・赤ちゃんの睡眠リズムの変化(小児科医解説インフォグラフィック)

・月齢別:赤ちゃんの睡眠の特徴を教えて!

森戸先生によると、「赤ちゃんはしばらくの間、昼夜の区別がなく、およそ2〜3時間ごとに短い睡眠と覚醒を繰り返します。大人のように1日1回夜に長く寝るというのはまだしません。」とのこと。生まれたばかりの頃は細切れだった睡眠も、脳や体の発達とともに、少しずつ大人のリズムへと近づいていきます。月齢ごとの睡眠の特徴をチェックしてみましょう。

  • 【生後間もなく】2〜3時間ごとに寝たり起きたり。しばらくの間は昼夜の区別がなく、およそ2〜3時間ごとに短い睡眠と覚醒を繰り返します。大人のように「夜にまとめて長く寝る」ということはまだしません。
  • 【2〜3か月】少しずつ夜に長めに寝るように。成長とともに体内時計が発達し、少しずつ「夜に長く寝て、日中に長く起きる」という睡眠リズムが整いはじめます。
  • 【1歳以降】昼夜のリズムができてくる。1歳頃にはお昼寝が1〜2回に落ち着き、3歳をすぎるとお昼寝をしない子も出てきます。

・夜通し眠るようになるのはいつから?!

「夜にまとまって眠るようになる時期には大きな個人差があります。生後数か月でまとまって眠る子もいれば、2歳を過ぎても毎晩のように夜中に目を覚ます子もいます。」と森戸先生。「そもそも赤ちゃんは睡眠サイクルが短く、浅い眠りの割合が多いため、目を覚ましやすいという特徴があります。」ということです。

生後2〜3ヶ月頃になると、成長とともに「夜に長めに寝る」「日中は起きて過ごす」というリズムが少しずつ整いはじめます。日中元気に過ごせていて、発育が順調であれば、夜間に起きること自体は何も心配いりません。どうぞ焦らずに見守ってあげてくださいね。

2. 赤ちゃんの睡眠環境づくり「安全で快適な寝床づくり」のポイントを教えて!

赤ちゃんの睡眠環境を整えるうえで、最も大切なのは「安全で快適な寝床を整えること」と森戸先生。睡眠リズムが未熟な赤ちゃんが、途中で目を覚ましにくく、健やかに眠るためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。ここからは、今日からすぐに実践できる寝床づくりのポイントをいくつかご紹介します。

今日から実践!安全・快適な寝床チェックリスト

・赤ちゃんの寝床の安全チェックポイントとは?

まず、一番に気をつけて欲しいのが寝床の安全性について。森戸先生も「窒息の危険性があることを知ってほしい」と強く注意を促しているのが、赤ちゃんの顔の周りです。以下のポイントをぜひ一度チェックしてみてください。

  • 顔の近くに物を置かない:枕やぬいぐるみ、人形、厚い掛け布団などは置かないようにしましょう。
  • 寝具に注意:柔らかすぎて体が沈んでしまう寝具や、大人用の枕・掛け布団を使用するのは、顔が埋もれる危険があるため避けてください。
  • 寝かせる場所に注意:ソファで寝かせることや、大人と一緒に寝ていて顔の周囲がふさがれてしまう状況も避けたいところです。

・熱中症に注意!夏の赤ちゃんに適切な室温と湿度を知りたい!

森戸先生によると、「保護者が快適だと感じていても、赤ちゃんには暑すぎたり寒すぎたりすることがあります。」とのこと。特に、「赤ちゃんは体温調節が未熟なうえ、体重に対して体表面積が大きいため、特に夏場は、室内であっても熱中症のリスクが高まりやすい」ということで、これからの季節は要注意です。

また、寝室の室温が高すぎることや、衣服・お布団の着せすぎは、熱中症だけでなく「乳幼児突然死症候群(SIDS)」のリスクを高めることも分かっています。エアコンを上手に活用しながら、以下の「快適な目安」をキープしてあげましょう。

夏の快適な環境の目安 数値
室温 25〜28℃程度
湿度 40〜60%程度

・自分で訴えられない赤ちゃんの「暑い・寒い」のサインって?!

「乳児は自分で暑いとかのどが渇いたということを訴えることができないし、衣服を脱ぐとか布団をはぐということができません。」と注意を促す森戸先生。そのため、睡眠中の赤ちゃんの変化に注意深く気づいてあげることが大切です。

①暑がっているときのサイン

  • 顔が赤い
  • 汗をたくさんかいている
  • 背中や首筋が湿っている
  • 機嫌が悪い
  • ぐったりしている
  • 授乳量が減っている

②寒がっているときのサイン

  • 手足の色が悪くなっている
  • 手足だけでなく、胸やお腹(体幹部)も冷たくなっている

森戸先生いわく、「赤ちゃんは手足で体温調節をするので、元気でも手足が冷たくなることはよくあります。」とのこと。エアコンの利き過ぎで、「寒いのではないか」とつい服や布団を着せすぎてしまうこともありますが、本当に寒いときは、手足だけで判断せず「体幹部(胸やお腹)の温かさ」や全身の様子をトータルで確認してあげてくださいね。

・音や光でコントロール「入眠ルーティン」ってどうすれば?

夜遅くまで部屋が明るかったり、テレビがついたままになっていたりすることも、赤ちゃんの睡眠リズムを乱す原因になります。森戸先生によると、「昼夜の区別がつき始める【生後3ヶ月頃】からは、毎日同じ流れを意識するとよいでしょう」とのことです。例えば、以下のような「入眠ルーティン(就寝前の習慣)」はいかがでしょうか。

  1. お風呂に入る
  2. 授乳
  3. 絵本を読む
  4. 部屋を暗くする

毎日これらを決まった順番で行うことで、赤ちゃんの中に「これから寝る時間なんだ」という心の準備(合図)が整います。決まった時間に光や音を消して眠る環境をつくることで、スムーズに入眠しやすくなり、1日の生活リズムもだんだんと整っていきます。

3. パパ・ママの睡眠不足について「心配で眠れない」夜を乗り越えるためには?

赤ちゃんが泣いていないと「ちゃんと呼吸をしているのかな」と心配になり、逆に泣いていると「どこかが悪いから眠れないのかな」と悩んでしまう……。初めての育児は、24時間気が張っていて戸惑うことばかりですよね。ママパパの皆さん、毎日本当にお疲れ様です。

赤ちゃんの健やかな成長に睡眠が大切なのはもちろんですが、毎日育児を頑張るママパパ自身がしっかりと睡眠をとることも同じくらい重要です。寝不足が続くと、心と体に疲れがたまって、育児への不安やストレスをより大きく感じやすくなってしまいます。赤ちゃんを大切に想うからこそ、ときには頑張り過ぎないことも大切です。ここからは、ママパパが夜に「安心して眠れる環境づくり」の具体的なヒントをお伝えします。

・親の睡眠不足が育児に与える影響を教えて!

毎晩のように夜間授乳や夜泣き対応が続くと、親自身の疲れもピークに達してしまいます。その結果、「疲労が蓄積し、気持ちに余裕がなくなりやすくなります。育児への不安やストレスが強くなったり、集中力が低下したりすることもあります。」と森戸先生。集中力が低下して思わぬケガや事故に繋がりやすくなったりすることもあります。

「なんでこんなにイライラしちゃうんだろう」と自分を責めてしまうママパパも多いですが、それはあなたが悪いのではなく、脳と体が「睡眠不足」というSOSのサインを出しているからに他なりません。「特に、日本人は世界各国と比べると睡眠時間が短いことで知られています。ご自身のためにも、赤ちゃんのためにもよく寝られるようにしましょう。」と森戸先生。「周囲のサポートを受けながら、保護者自身の睡眠も大切にしてほしいと思います。」とメッセージをいただきました。

・ご家族の睡眠をサポートする「CuboAi」とは?

育児に奮闘するママパパの不安を和らげ、親自身がしっかり睡眠をとって、心身ともに健康を保つことができるように、CuboAiのスマートベビーモニターは生まれました。「ちゃんと息をしているかな?」「暑すぎないかな?」と、24時間気になってしまう切実な悩みに寄り添い、ママパパの代わりに安心を見守ります。

  • 顔覆われアラート・寝返り検知:寝床での危険(口や鼻が覆われてしまう状況など)を検知して、すぐにスマートフォンへお知らせします。
  • 温度・湿度センサー:赤ちゃんが快適な環境にいるかをリアルタイムで見守り、夏のエアコン管理もサポートします。
  • 泣き声検知・咳検出アラート:赤ちゃんの泣き声や、体調の変化にいち早く気づける「咳」をAIがキャッチ。別の部屋にいても、スマホから異変を知ることができます。
  • 「心配でなかなか眠れない」という夜も、「昼寝をしている隙にちょっと家事をしたい」という時も、CuboAiがパパやママの代わりに見守りをサポートいたします。ご自身のため、そして大切な赤ちゃんのためにも、CuboAiを活用して、ご家族みんなが健やかで安心できる睡眠環境を整えてみませんか?

    赤ちゃんの睡眠についてもっと知りたい!Q&A

    CuboAiユーザーから、赤ちゃんの睡眠についていくつかご質問をいただきました!森戸先生のご回答をぜひ、参考にしてみてください。

    Q. 赤ちゃんが泣くと「すぐに抱っこして泣き止ませなきゃ!」と焦ってしまいます。夜泣きについての目安や異常のサインを教えてください。

    森戸先生:まずは数分間、見守りながら少し様子を見ることから始めてみましょう。

    赤ちゃんが夜中に泣いたら?焦らないための3ステップ

    赤ちゃんが泣くと「早く泣き止ませないと!」と焦ってしまいますよね。しかし、赤ちゃんは眠りが浅くなったタイミングで、寝言のように泣くことがよくあります。これは完全に目が覚めているわけではないため、すぐに抱き上げると、逆にパッチリと起こしてしまう原因になることも。まずは少しだけそのまま様子を見てあげると、自力でまたスーッと眠りにつけることも多いのです。泣くことは決して悪いことではありません。夜中に赤ちゃんが泣いてもすぐに手を出さず、まずは数分間、様子を見てみるのも一つの方法です。

    【様子を見るときのチェックポイント】

    • お腹は空いていなさそうか
    • ゲップが出ていて、吐きそうな様子はないか
    • おむつは汚れていないか

    これらに問題がなければ、赤ちゃんが「自力で再び眠りにつく練習」をしている最中かもしれません。夜泣きは、多くの子どもに見られる発達の過程。数ヶ月で落ち着くこともあれば、1歳以降まで続くこともありますが、いつかは必ず終わりが来ます。ただし、以下のような場合は、単なる夜泣きではなく「体調不良のサイン」かもしれません。いつもと違うと感じたら、小児科を受診してください。

    【受診を検討したい異常のサイン】

    • 熱がある、または体が異常に熱い(熱中症の疑いなど)
    • 激しく泣き叫び、あやしても全く泣き止まない
    • 体重が増えにくい
    • 日中元気がない

    Q. 「睡眠退行」はなぜ起きるのでしょうか。対策があれば教えてください。

    森戸先生:脳や体が急成長している「成長の証」です。一過性のものなので、生活リズムを整えながら焦らず見守りましょう。

    やっとまとまって寝てくれるようになったのに、突然また眠りにくくなる……。そんな状態を「睡眠退行」と呼ぶことがあります。「どうして後戻りしちゃったんだろう」と不安になるかもしれませんが、これは医学用語ではなく、もちろん病気でもありません。

    【なぜ起きるの?】 ハイハイや寝返りができるようになったり、周囲への好奇心が増したりと、脳や体がすくすくと発達しているからこそ起こる変化だと考えられています。つまり、後ろに下がっている(退行)のではなく、むしろ一歩前に進んでいる「成長の証」なのです。

    【対策はある?】 多くは一過性のものです。生活リズム(朝起きる時間や、日中のお散歩など)を一定に保ちながら、焦らずに見守ってあげることが一番の対策になります。

    赤ちゃんの睡眠には大きな個人差があり、「こうでなければならない」という正解はありません。SNSの投稿や周囲の体験談と比べすぎず、お子さんの成長を長い目で見守っていきましょう。そして大変なときは1人で抱え込まず、パートナーや家族、地域の保健師さん、小児科医などにいつでも頼ってくださいね。

    森戸やすみ先生
    監修:森戸やすみ先生

    1971年、東京生まれ、小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都台東区でどうかん山こどもクリニックに勤務。専門的な学術書を読む医療者と気軽な本や記事を読む保護者、非医療者の間を取り持つような活動をしたいと思っている。『新装版 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』など著書、書籍や絵本の監修多数。

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